=2018年度活動実績=

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 ハイチにおける活動

*保健医療支援事業

①無料結核検診

 2013年からのべ7回目となる無料結核検診を、特定非営利活動法人Future Codeの大類隼人代表と協力し、2018年5月2~4日にレオガン近郊にある国立シグノ結核療養所(シグノ・サナトリウム)で実施しました。レントゲン検査は高額なため、日常的に行われていませんが、予め現地の医師が、結核が疑われる患者を、レントゲン検査が無料で実施できるこの3日間に集中して再受診させ、発見率を上げています。今回は97名が受診し、問診と胸部レントゲン写真で結核を強く疑われる7名に喀痰検査を指示し、2名の痰から結核菌が検出され結核と診断されました。2017年度に引き続き、核酸増幅法(Lamp法)を用いての迅速診断も併用され、50分で診断が可能となったことも、診断率の向上に貢献しましたまた、ハンディサイズのポータブルエコーを持参し、結核に限らず受診者の症状にあわせて適宜検査し、異常所見の質的診断に貢献できたことは大変有意義でした。

 

②サナトリウムへの給食費支援
 結核患者が栄養をつけ、安心して療養できるように、今年度もシグノ・サナトリウムの入院患者のための給食費として約88万円の支援を実施しました。2013年からの継続的な一連の支援に対して、病院責任者のシスター、Bernadette Nicolas(ベルナデット・ニコラ)さんから、ハイチ友の会とその支援者に対して、心からの感謝の言葉をいただきました。なお、サナトリウムの新病棟は2016年11月から全稼働し、常時50人の入院患者の治療にあたっていました。

*教育環境整備事業

①クラックプラン
 2001年度からはじまった奨学金制度クラックプランで、経済的に恵まれない45名の児童・生徒らへの就学支援を継続しています。2018年度は渡航日程が例年より短かったため、学校訪問をする機会に恵まれませんでした。そのため、例年クラックプランの里親になってくださっている会員の方々にお送りしている、支援対象の児童・生徒の写真をお届けできず、大変申し訳ありませんでした。
 ベネの聖ジェラルド学校、エステルの教区学校およびラ・モンターニュの中等部の各校長らから児童・生徒たちの就学状況について報告を受けました。ベネの聖ジェラルド学校では、北側の山の斜面に、ハイチの大手通信会社の支援で、中等部の校舎が新たに建設されたとのことでした。

*農村開発事業

①ジリシ村の水源修復事業
  スライド 2 私たちは西県プチゴアーブ近郊のジリシ村で、2016年10月のハリケーン・マシューの緊急復興支援として壊れた水源の修復を行いました。その水源の配管が2018年4月にふたたび壊れ、2018年度は地域住民が自立して水源を管理する仕組みづくりを実施することを条件に、修復の支援を実施しました。2017年度は同じ提案に対して、リーダーから「住民は生活が苦しく、実効は困難」との返答でしたが、今回はハリケーンシーズンの前に修復を終え、水源管理のルール作りを行ったと報告を得ました。資金を外部の援助に頼るだけでなく自分たちで確保していくために大切な一歩を踏み出すことができました。

 

②マイクロクレジット(少額融資)を通したモリンガ栽培・加工促進事業
 ハイチ西県ロッシュ地区において、「世界の人びとのためのJICA基金」の委託を受けてマイクロクレジットを取り入れたモリンガ栽培・加工促進事業に取り組みました。
 栽培されたモリンガの葉を農協が確実に買い取るという条件の下、多くの小農民がモリンガの栽培に興味を持ち、技術研修を経て約3000本が植林されました。対象地区は土壌が石礫に覆われている上、2018年は雨期が極端に短かかったため、計画の途中で灌漑設備を整備することになりましたが、札幌聖心女子学院高等学校3年の生徒が、イベントの収益を全額寄付してくださったことが大きな助けとなりました。7月に起きた大規模デモにより、一時期経済活動が麻痺したことや、家畜による食害など様々な困難があり、加工事業にまで到達できませんでしたが、国際緑化推進センターの緑の募金交付金も活用し、今後も地域住民と解決策を見つけながら事業を進め、地域の経済的な自立を図ってまいります。

 

 日本国内における活動

*東日本大震災の被災地で4回目の絵本配布を実施しました
 東日本大震災以降、毎年、宮城県気仙沼市本吉地区の5つの幼稚園・保育園を卒園する園児の皆さんに、当会の作製した絵本「げんきのもと/手を洗おう」を贈らせていただいており、今年は64名にプレゼントしました。
 その一つである馬籠幼稚園は、この春5人の卒園生を送り出し、園生減少に伴い休園することになったそうです。何となく寂しいですが、園生の皆さんや先生方の新しい旅立ちにエールをおくりたいと思います。