いつもと違うGW

 

 いつものGWなら今頃ハイチに到着しているころですが、今年はCOVID-19により渡航を断念しました。例年1月末には航空チケットをおさえるのですが、武漢でCOVID-19の悲惨な状況が伝えられている中、私は購入を躊躇し、今年はハイチに行けないだろうと直感しました。2003年の中国でSARSが流行し大勢の人が亡くなったときのことを思い出したからです。

 当時日本ではSARSは流行しなかったので、私はあまり意識していなかったのですが、ハイチ滞在中、露天商のおばちゃんが、何か叫びながら手足をばたつかせて私が近寄るのを露骨に嫌がったことがありました。ハイチ人の友人は「サチコを中国人と思ったんだよ」と言いました。「ほら、SARSだよ」と。

 今のハイチではスマートフォンを持つ人が増えています。世界中の情報が瞬時に伝わる時代です。日本でも感染が拡大していることはハイチの人も知っています。今度は石を投げられるくらいでは済まないでしょう。実際、ハイチ在住の日本人女性の友人は、3月下旬から、市役所や銀行に行っても「コロナ、コロナ」とヤジを飛ばされ、中国人がこっちに来るな、人殺し、コロナ持ち込みやがって…などなど罵声を浴びせられたり、自転車で体当たりされかかったりしているそうで、それを聞くだけでも心が痛みます。

 ハイチのCOVID-19の情報が入ってきました。中央県のエンシュで新型コロナウイルスに感染が確認された人が逃げているという報道。警察が後を追っているそうですが、逃げた人の気持ちもちょっとわかります。きっと、むやみに怯える群衆から撲殺されかねない恐怖に駆られているのだと思います。誰も感染したくてしたわけじゃないのに。明日は我が身なのに。

投稿者: staff